タイにおけるカンキツおよびミカンキジラミからのカンキツグリーニング病病原体の検出
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概要
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カンキツグリーニング病は, 熱帯地域のカンキツ類に最も大きい被害をもたらしている。我々は, PCR法の適用により, タイ国ナン市のグリーニング病病原体 (GO;Liberobacter sp.) 感染カンキツ樹において発現していた7種の症状, すなわち黄色斑紋(タイプI), 葉脈に緑色を残した穏やかな黄化(タイプII), 葉脈に緑色を残した激しい黄化(タイプIII), 新葉の黄緑化(タイプIV), 葉脈黄化(タイプV), 葉脈のコルク化(タイプVI), および不明瞭な症状(タイプVII)の葉からGOの16SrDNAを検出できた。タイプI, II, III, V, VIの症状を呈した葉からは多量のGODNAを検出できた。また, 媒介昆虫ミカンキジラミ1匹からもGOのDNAを検出することもできた。タイのカンキツ産地6カ所から採集された7種のGO株の16SrDNA断片の塩基配列を解析した結果, これらの配列は全く同じであり, タイ株はL. asiaticumインド株と類似していることが明らかになった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1998-06-25
著者
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中島 一雄
国際農林水産業研究センター
-
Prommintara M.
タイ農業局
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大津 善弘
果樹試験場
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Prommintara Maitree
Plant Pathology And Microbiology Division Department Of Agriculture(doa)
-
PROMMINTARA Maitree
タイ農業局植物病理微生物部
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