Open RemoteGIG : 遅延を考慮した不特定多数による遠隔セッションシステム(<特集>音楽情報科学)
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概要
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本論文では, Internetのような広域ネットワークを経由して, 不特定多数のユーザが遠隔地間でジャムセッションできるシステムOpen RemoteGIGを提案する.本研究は, 物理的に1カ所に集まらなくても, 音楽的なインタラクションを楽しむことができるセッションを実現することを目的とする.従来, 遅延の小さいネットワークを介したMIDI中継は実現されていたが, 遅延の大きいInternet等を介した双方向のMIDI中継によって, 調性とリズムのある音楽を合奏することはできなかった.そこで本研究では, 不可避な遅延を積極的に利用した, 調性とリズムのある音楽のための新たな形態の遠隔セッションシステムOpen RemoteGIGを実現した.Open RemoteGIGでは, 同一のコード進行(12小節のブルース進行等)の繰返しを, テンポ一定で演奏することを前提として, 遠隔地にいる複数の演奏者がInternet経由のセッションを行う.演奏者は, お互いの演奏をコード進行の1周期の整数倍の時間だけ遅れて聞き合いながら, 即興演奏する.コード進行は繰り返すため, 遅延した演奏は再び同じコードとなり調和する.さらに, Open RemoteGIGは, 演奏相手の発見環境や打合せ用のチャット機能も提供する.MIDI中継は音楽用通信プロトコルRMCPに基づいて実装され, 実際に遠隔地間で提案したセッションをできることが確認された.
- 2002-02-15
著者
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