確率的アルゴリズムにおける効率・正解率間のトレードオフ関係について
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概要
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確率的アルゴリズムとは,乱数を利用して非決定的に計算を行うアルゴリズムの総称である.乱数を用いて計算過程を決めていくので,同じ入力に対してもつねに同じ答えを出すとは限らない.しかも誤って答える場合もある(この確率を誤り率と呼ぶ).このような確率的アプローチにおいて,効率と正解率(=1-誤り率)間のトレードオフ関係が予想される.しかしその関係が証明された例はほとんどない.本稿では,集合操作の基本演算でありソーティングと深くかかわりのある同一要素判定問題において効率・正解率間の詳しいトレードオフ関係を示す.すなわち(i)同一要素判定問題を解く確率的アルゴリズムを示し,そのアルゴリズムにおける効率・正解率の関係を調べる,(ii)そのアルゴリズムが効率・正解率の面から最適であることを証明し,(i)で得られた関係が本当のトレードオフ関係であることを示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-05-15
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