ファイル管理機能のネットワーク化による分散処理OSの構成法
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概要
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LSIを中心とする急速なハードウェアの進歩により, LAN(Local Area Network)のような高速伝送路で処理装置を有機的に結合したシステムの構築が進められている. このようなシステムに必要な分散処理OS(Operating System)には, リモートのファイルに簡単にアクセスでき, 既存のローカル処理用プログラムをそのままネットワーク処理にも利用できる高度な通信機能が必要とされている. このような機能を有するリモートアクセス方式による分散処理OSは, すでにいくつか実現されているが, 高速性は生かされているものの放送機能は生かされておらず, 十分とは言えない. 本論文では, 高速性と放送機能を生かしたリモートアクセス方式による分散処理OSが提案された. 具体的には, (1)分散したファイルを統一管理する方式, (2)一つのファイルだけではなくファイルの集合に対する一括アクセスを従来の応用プログラムインタフェースを保存して実現する方式, (3)リモートアクセスの処理要求と処理結果を通信する制御方式, が示された. また, UNIXでのインプリメント例により, リモートアクセスはローカルアクセスに比べ数倍のアクセス時間になることが示された.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-01-15