語法規則方式による日本語文の構文・意味解析
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概要
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本論文は, 隣接する2項間の係り受け関係の解析を基本とした実時間的な日本語文の構文・意味解析の手法について述べている. この手法では係り受けのための短期記憶としてプッシュダウンスタックを用いており, 日本語の係り受けの構造は解析システムの中に自然に埋め込まれている. すべての規則は語および文節カテゴリの属性として記述されており外部規則としての文法規則は持たない. 文の構造を記述する文法規則ではなく, 語句の用法・機能を記述する規則という意味で, ここで用いている規則を語法規則とよんでいる. この手法に基づく解析システムをUTIlisp上に作成し機械翻訳への応用も含め現在実験を行っている. この方式によって, 多くの個別的な事項を含むいろいろの言語事実に対処するための拡張や修正にも辞書記述の工夫で柔軟に対処することが可能となった.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1985-11-15