並列計算機システムPPAを用いた有限要素シミュレータの試作と評価
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概要
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本論文は, 偏微分方程式解析の高速化を図るために34台のミニコンから成る一次元アレイ方式の並列計算機システムPPA(Parallel Processor Array)上に試作した有限要素シミュレータの概要を紹介し, その性能評価について述べる. 本シミュレータは熱伝導系を対象としているが, その入力データの形式は通常の有限要素解析システムにおける入力データの形式と本質的に変わらず, ユーザは並列演算ということをまったく意識する必要がない. 性能評価では本シミュレータによる計算の速度が使用するプロセッサの台数にほぼ比例して速くなること, また十分な台数のプロセッサがあれば計算時間は問題の節点数にたかだか比例的に増加することを示す. さらに汎用大型計算機HITAC M-200Hとその内蔵ア***ロセッサIAPを用いた数種の計算法によるシミュレーションとの比較により, 本シミュレータが計算速度の点でM-200Hとそん色がなく, また性能価格比ではそれをはるかに上まわっていることを示す. 最後に有限要素シミュレーションに主眼をおいてPPAを拡張する場合, 有限要素モデルの規模との関連でプロセッサ台数を実質的にどの程度まで増やせるか等について考察するその結果節点数20,000点程度の問題を扱う場合, プロセッサ台数は140台くらいまで増やせること, またそのとき各プロセッサで必要なデータ領域のメモリ量は現在市販されているマイクロプロセッサでも十分実装可能な大きさであることなどが明らかになる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1984-05-15
著者
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