並列プロセッサシステムにおけるd-順序ベクトルに対するメモリ-プロセッサ結合
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概要
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並列プロセッサシステムでは, メモリ競合問題と, メモリ-プロセッサ結合方式が重要な課題である. この論文では, 第i番目の要素の位置が(d・i+b)mod M, ここでMはメモリモジュール数, であるようなベクトルを, d-順序ベクトルと呼び, メモリアクセスを, この d-順序ベクトルに限定することで, 大規模化可能な, RSN(Rotation and Skip Network)と呼ぶ, 簡素な結合方式を実現できることを示す. 基本的には, Swansonが提案したk-apart相互結合を基にしており, メモリモジュールの数を素数とし, d-順序ベクトルではメモリ競合が生じないこと, kを法Mに関する原始根から選ぶことで, すべてのd, 1≤d≤M-1, について1-順序ベクトルに置換できることをベースにしている. RSNは, bに対応して回転置換する部分と, dに対応して距離dのスキップ置換を行う部分から構成される. 双方とも回転置換R_jで表わせ, R_bT_kR_iT_k^<-1>と書ける. ここでT_kはk^j mod M→jの置換を表わし, T_k^<-1>はT_kの逆置換である. また, d=k^i mod Mである. 一方, 回転置換R_jは, ここで導入する巡回置換スイッチにより実現され, 2入力セレクタを単位素子とすると, RSNは, 2Mlog_2Mのオーダの素子で構成でき, LSI化も容易になる. メモリアクセスをd-順序ベクトルに限定したことから, RSNではサポートできない, あるいは非効率な応用も存在する. しかし, 制御が簡単でハードウェア量も少ないため, 大規模並列プロセッサシステムを実現する1つの方向を示している.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1982-05-15
著者
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