命令語用とデータ語用とに分割したキャッシュの実用性の一検討
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概要
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高度にパイプライン化された超高速中央処理装置(CPU)ではマシンサイクル当り命令とデータッチの二つのキャッシュアクセスが必要となる. その実現手段の一つとして命令語用とデータ語用とに分割したキャッシュ(分割型キャッシュ, SCM)が考えられる. 本論文はSCMの実現性を検討するため, SCMのミスヒット率と論理遅延時間を検討し, キャッシュの論理遅延時間がCPUマシンサイクル短縮のボトルネックになっているときのCPU平均命令実行時間を考察した. それによると, SCMはそれと等容量の従来型キャッシュ(共用型キャッシュ, CCM)にくらべ若干のハードウェア量増となるが, 命令語用とデータ語用とを等容量にしたSCMはソフトウェア特性の広汎な変化に対してもCCMと平均的に遜色のないミスヒット率が得られる一方, キャッシュがマシンサイクル時間短縮のボトルネックになっているときSCMはCCMよりマシンサイクル時間を短縮できるためCPU性能が向上する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1981-05-15