オブジェクトの振舞いに関するコントラクトの設計について
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概要
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オブジェクトの操作とその制約の設計,すなわち振舞いの設計はオブジェクト指向設計の基本課題である.本論文は,オブジェクト指向によるシステムの概念設計の基礎となる,オブジェクトの振舞いのモデルとこれにもとづく振舞いの設計法について論じている.オブジェクトの振舞いは,オブジェクトの発生,状態遷移,消滅の過程によって表現される.その形式表現のために,振舞いモデルの基本要素としてライフサイクルスキーマを定義し,さらに振舞いの構造化の手段として,ライフサイクルスキーマ洗練の概念を定義した.オブジェクトの状態遷移は一貫性制約にしたがわねばならない.ここでは複数のオブジェクトの振舞いに関する制約を,状態間制約および遷移制約として形式化し,体系化するとともに,これらの制約を制約関連図として表現した.一般にある業務環境において,与えられた機能を果たすために必要なオブジェクトの集まりをサブシステムという.サブシステムにおける複数のオブジェクトの協調的な振舞いを記述するために,コントラクトの概念を定義した.コントラクトは,オブジェクトの振舞いに関する制約と機能ごとのスクリプトの記述から構成され,サブシステムにおけるオブジェクトの振舞いを設計するための仕様となるものである.
- 1992-08-15
著者
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