3重指数分割に基づく浮動小数点数演算のための指数と仮数の高速分離結合回路の設計と評価
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概要
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数値演算におけるオーバフローやアンダフローの発生を避けることのできる, 可変長指数部を持つ浮動小数点表現が提案されている. 3重指数分割に基づく浮動小数点表現は, 2重指数分割に基づく浮動小数点表現URRの優れた特徴を継承, 指数の桁数が大きい領域ではURRより指数部が短く, 表現精度が改善される. しかし, 指数部の構成が複雑となるのでURRに比べて演算時間とハードウェア量の増加が予想され, 実用化するには高速演算機構の開発が重要となる. そこで本論文では, 3重指数分割に基づく浮動小数点数のハードウェアによる高速演算実現におけるキー技術である, 指数と仮数の高速分離結合回路を設計, URRとの比較で評価する. まず, 処理を簡単化するため, 分離後の指数の表現を分離前のデータに等しい長さの2進整数表現とし, 指数の範囲をURRと同程度に制限する. そして, データを構成する各部の位置と長さを高速に検出, 確定し, 組合せ論理回路でビット並列に高速処理を行う. さらに, データ長64ビット, ゲート長0.8μm CMOSゲートアレイへの実装を想定して処理時間とハードウェア量を見積もり, 定量評価を行った. その結果, 指数の範囲を上記に制限することにより, 指数と仮数の分離時間はURRに比べ41%増加するが, 分離のハードウェア量, 結合に要する時間, ハードウェア量は13%増以下に抑えられる見込みが得られた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-04-15
著者
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