(12)糖蜜を利用した土壌還元消毒の下層土への防除効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
土壌還元消毒がネギの根腐萎凋病菌(Fusarium redolens)に対して高い防除効果を示すことを既に報告したが,これまでの方法では,下層土まで消毒するにはフスマを下層土まで混和させる必要があった.そこで下層土を耕起せずにトマト萎凋病菌を消毒する方法として,糖蜜を土壌に浸透させる方法について検討した.フスマ,米糠などに糖蜜を40%含むサイレージ用の飼料を作土(15cm)に混和し150l/m^2潅水した場合,飼料が1kg/m^2では効果は作土までであったが,1.5kg/m^2では30cmまで消毒可能であった.糖蜜のみを潅注する方法としては,地表面に2倍に希釈した糖蜜を散布し,150l/m^2の潅水を行ったところ,0.9kg/m^2以上の量で現地圃場の地下50cmまで消毒できたが,農試圃場では効果が不安定であった.液肥混入器を用い糖蜜を水に溶かして潅水した場合,濃度が0.6%(0.9kg/m^2)以上で地下50cmまで安定した効果が認められ,0.4%(0.6kg/m^2)では地下50cmの効果が劣った.以上の結果から,水が浸透する土壌であれば,0.6%の糖蜜水溶液を150l/m^2潅注することで,耕起せずに下層土を消毒することが可能である.
- 2003-02-25
著者
関連論文
- 北海道地域の研究成果情報(平成14年度)から 還元消毒による施設土壌病害虫の防除と糖蜜を用いた下層土消毒法
- (12)糖蜜を利用した土壌還元消毒の下層土への防除効果
- (13)土壌微生物群集の構造解析(1) : 糖蜜およびフスマを用いた還元消毒土壌について
- 還元消毒による施設土壌病害虫の防除と糖蜜を用いた下層土消毒法
- Botrytis byssoidea Walkerによるネギ菌糸腐敗病(新称)
- (1) 北海道におけるネギ白かび腐敗病の発生 (平成10年度北海道部会)
- (1) Fusarium oxysporumによるネギ根腐萎凋病 (仮称) の発生 (北海道部会)
- (17) 北海道におけるベゴニア斑点細菌病の発生 (北海道部会)
- (5) 北海道における Pseudomonas marginalis pv. marginalis によるトウモロコシ倒伏細菌病の発生 (北海道部会)
- Fusarium oxysporumによるネギ根腐萎ちょう病の発生
- 檜山北部地域におけるネギ根腐萎ちょう病の発生実態
- 3 簡易軟白ねぎの根腐萎凋症発病と土壌環境 : 第1報 現地発生実態(北海道支部講演会)
- ホウレンソウべと病に対する品種反応と化学的初期防除技術 (全国野菜技術情報)
- 20 簡易軟白ネギの根腐萎ちょう病と土壌環境 : 第2報 還元殺菌(北海道支部講演会)
- (125) 還元消毒法によるネギ根腐萎ちょう病の防除 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- ねぎの根腐萎ちょう病菌に対する還元殺菌法
- 土壌還元消毒の原理と実用化への道 (特別企画 臭化メチル代替技術--第2部 物理的消毒法を中心に)
- クローズアップ 土壌病害に対する還元消毒法
- ネギ根腐萎凋病の発生生態と防除に関する研究(学術奨励賞受賞者研究要旨)(平成14年度 日本植物病理学会大会)
- (176)ネギ根腐萎凋病の病原菌の所属と分化型
- 北海道ブロック ネギ根腐れ萎ちょう病の発生生態 (全国野菜技術情報)
- 道南地域の園芸作物に発生した新病害とその対策(第2報)函館地方におけるニンジン乾腐症状の病原菌と発生実態
- (324) Botrytis byssoideaによるネギ菌糸性腐敗病(新称)の発生 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (21) ネギ根腐萎ちょう病菌の選択的分離法 (平成10年度北海道部会)
- (15) Fusarium avenaceumによるニンジン乾腐病の発生 (北海道部会)
- (41)ネギの根腐萎ちょう病(新称)の病原菌,Fusarium oxysporumの宿主範囲および病原性(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- カ-ネ-ション黒点病に対する各種殺菌剤の防除効果
- 北海道に発生したニンジンの乾腐病