(16)PCR法によるトマト萎凋病及び根腐萎凋病の診断
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概要
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野菜の土壌伝染性病害対策には病原菌の判別が重要であり,トマトの萎凋性病害ではさらに病原菌レースの判別も対策上,不可欠である.現行の判別方法では検定植物に接種しその発病程度や病状から判断しているため,1か月以上を要し即時性に欠けている.そこで病原菌に特異的なブライマーを開発し,PCRを利用した病原菌レース判別技術の開発を試みた.各種病原菌を判別するプライマーを設計するため,糸状菌類のendo-及びexo-poly-galacuturonase遺伝子を解析した.その塩基配列を基に数種類のプライマーを作成した結果,ユニバーサルプライマーセットを用いることにより,トマト萎凋病菌レース1,トマト萎凋病菌レース2及びトマト根腐萎凋病菌を特異的に検出が可能であり,今回,試験に供した他のFusarium oxysporumは検出しなかった.また,設計したプライマーを組み合わせることにより,上記3種の病原菌の判別が可能であった.以上のことから,今回,設計したプライマーセットを用いることにより,特異的に3種の病原菌を半日で判別することが可能となった.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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