企業空間・都市化経済・社会資本整備
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概要
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現代資本主義経済の生産力段階はミクロ的次元では規模経済から連携経済への展開を, マクロ的次元では地域特化経済から都市化経済へと転換してきた. それを支える社会資本整備は産業基盤・交流促進型から交流促進・都市生活基盤型へと移行してきた. ミクロ次元での連携経済はA. Weberでの集積因子と分散因子との関係, 「生産段階の分割」から展開できる. 生産過程の地理的分割はHooverの「結合の利益」の逆用から理解でき, 輸送費や輸送単位の低減, 定時輸送の確保で地理的分割が促進される. 同時に異なった質の労働力が要求されるが, 都市労働を存立させる都市空間の議論にはHarveyの建造環境が参考となる. 都市労働, なかでも交流「労働」はマクロ的次元での都市化経済の源泉となる. 交流「労働」の第一の形態は通勤「労働」で, これに必要な時間は資本から拘束され, 社会的にも必要とされるが, 不払い労働である. 通勤「労働」は第二の形態としての学習, 研修, 研究活動にかかわる交流「労働」と結合することではじめて意味を持つ. 第二の形態の交流「労働」はイノベーションを生み出し, 収穫逓増型経済の源泉となる. 「弱い環」としての人間労働の情報産出力は「強い環」としての情報通信システムと社会資本整備で高まる. 社会資本には重層性があり, 国土保全型, 地域特化経済型, 交流基盤型, 都市生活関連型に分類できる. 社会資本の重層的整備は社会的集積を可能とし, 都市化経済を生みだす. この類型別社会資本は明瞭に大都市を中心とする空間配置を示している. 1990年代でも大都市圏とりわけ東京圏への傾斜配分は強められよう・
- 経済地理学会の論文
- 1994-12-31
著者
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- 企業空間・都市化経済・社会資本整備
- 矢田俊文編著『地域構造の理論』, ミネルヴァ書房, 1990年, 272頁, 2,700円
- 黒川俊雄編, 『地域産業構造の変貌と労働市場の再編-新産業都市いわきの研究-』, 法律文化社, 1988年, iv+279頁
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