976. 秋吉石灰岩からの microcodium 組織の発見
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概要
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秋吉石灰岩東部の若竹山南方に分布する黒褐色sparry calcite帯からmicrocodium組織を見いだした。この黒褐色sparry calcite帯は紡錘虫分帯からQuasifusulinoides sp. A帯とMontiparus sp. A帯の間に位置しており, 時代的には後期石炭紀(Kasimovian中期)に形成されたものととらえられる。"Microcodium"は植物の根の皮層細胞と菌類との共生によるmycorrhizaeの石灰化の産物であり生物種とは認められないので, これを"microcodium組織"と呼称する事を提案する。microcodium組織の存在や黒褐色sparry calcite帯の炭素・酸素同位体値が周囲のものより低いことから, この黒褐色sparry calcite帯は海水準低下時に地表に露出した際の淡水影響下で形成されたものと考えられる。したがって黒褐色sparry calcite帯は不整合(シークエンス境界)を示す良いマーカーとなると思われる。
- 日本古生物学会の論文
- 1994-09-30