838. 日本産ラクエウス科腕足動物の生態と相対成長
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概要
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日本産新生代ラクエウス科腕足動物は, 個体発生において相対成長に2つの傾向を示す。殻長に対する殻のふくらみの相対的増加と殻長に対する殻幅の相対的減少である。これらの異成長の原因を知るために現生Laqueus rubellus (Sowerby)を主に用いて, 形態, 生態および殻の成長に関連するいくつかの変量の相対成長を調べた。殻のふくらみの相対的増大の理由として, (1)殻物質の経済的沈着, (2)殻強度の増大, 及び(3)生殖巣収納スペースの確保の3つの説明が考えられる。L. rubellusに関しては, 成体において殻のふくらみが殻長に対して優成長を示すのに対し, 生殖巣をもたない幼体においては, 殻のふくらみと殻長の関係は等成長を示すことから, これらのうち(3)の説明が最も適切である。
- 日本古生物学会の論文
- 1987-10-30
著者
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遠藤 一佳
Department Of Geology University Of Glasgow Glasgow G12 8qq Scotland U.k.
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遠藤 一佳
Geological Institute, Faculty of Science, University of Tokyo