807. 中生代アンモナイト類の初期殻体内部構造 : 高次分類との関係
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概要
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北海道上部白亜系産の保存の良いアンモナイト23種と英国及び西ドイツの下部ジュラ系産アンモナイト4種を走査型電子顕微鏡を用いて観察し, その初期殻体内部構造の特徴を記載するとともに高次分類との関係を検討した。検討したすべての個体の初期螺環は最初のくびれ(primary constriction)を境にして, 稜柱層一層よりなるアンモニテラ(ammonitella)と二つの稜柱層が真珠層を挾む三層構造よりなるそれ以降の段階の2つに分けられる。不規則な稜柱層(亜稜柱層)よりなる胚殻(protoconch)からアンモニテラにかけての殻構造も, 盲管(caecum)付近を境に2つの段階に分けられる。初期殻の構成要素は検討したすべての個体で共通するが, その形態及び成長にともなう変化は, 中生代アンモナイトの亜目レベルで安定している。
- 日本古生物学会の論文
- 1986-04-30