822. 琵琶湖底 200m ボーリング・サンプルの花粉学的研究 : II : 約25万〜10万年前における古植生と古気候の変遷
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概要
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日本における第四紀を通じての古植生の変遷とそれに基づく古気候の変化を究明し, 世界における第四紀の気候変化の標準の1つを日本で作成することを目的として, 1971年秋, 琵琶湖の水深65mの湖底から約200mに及ぶボーリングを実施した。そして, 殆んど完全に連続する過去60万年間の湖成層の採集に成功した。このコア・サンプルの5m間隔での試料に基づく過去60万年間の古植生と古気候の変遷についての第一報(藤, 1983)に続いて, 約25万〜10万年前の古植生と古気候の変遷を, 200mコアの25cm間隔で採集したコア・サンプルの花粉分析によって解析した。その結果, この期間約15万年間は, 4花粉帯6花粉亜帯に細分され, それぞれの花粉帯と花粉亜帯の詳細な花粉組成とそれに基づく植生と気候を推定した。そして, さらに, この気候変遷を, 現在までに公表されているカリブ海と赤道太平洋からの酸素同位体比による古水温変化, 地中海のMallorcaと南関東, およびニューギニアから得られた海水準変化・海成段丘分布, そして, 中部ヨーロッパで得られたレスのサイクルなどの同時期の変化と比較検討した結果, これらとは全般的にみてよく類似した変化の認められることが判明した。
- 日本古生物学会の論文
- 1986-12-30
著者
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