594. 北上山地より産したバジョシアン菊石について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本のバジョシアンは菊石化石の産出が比較的稀で, ジュラ系の他の部分ほど精密な分帯ができなかった。最近北上山地で採集された標本と, 今まで記載されずに残されていた標本を検討した結果, 唐桑地区の綱木坂層および牡鹿半島の月ノ浦層がかなりくわしい分帯の対象となることがわかった。綱木坂層は全体で1帯として取り扱うことができ, ヨーロッパ標準のOtoites sauzei帯に対比される。また月ノ浦層は, 少なくとも前網の含菊石層に関する限り, Otoites sauzei〜Stephanoceras humphriesianum帯の一部分に対比される。この小菊石群は, 全体として北米大陸北西部の同時期の菊石群と強い近縁関係にあるが, 属のレベルでは, 西南太平洋の菊石群とも共通なものがある。
- 日本古生物学会の論文
- 1972-04-20