583. 日本産超微化石 IV. 四国・唐ノ浜層群の石灰質ナノプランクトン化石
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概要
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今まで時代論から, また層序の上から問題とされてきた唐ノ浜層群の登層と穴内層について石灰質ナノプランクトン化石からみた見解を述べた。また両層から産出した1新種を含む31種の石灰質ナノプランクトンを記載した。ナノプランクトン群集からみて登層はHAY & SCHMIDT (1967)のDiscoaster surculus帯, MARTINI & WORSLEY (1970)のNN16帯つまりDiscoaster surculus帯に対比され, 穴内層は前者のDiscoaster extensus帯またはDiscoaster brouweri帯, 後者のNN18帯ないしNN17帯つまりDiscoaster brouweri帯ないしDiscoaster pentaradiatus帯に対比される。しかし登層からはDiscoaster dilatus, Discoaster kugleri, Discoaster stellulus, Discoaster taniやCeratolithus aff. C.tricorniculatusのような中新世を特徴づける種もかなりみられ, その保存状態などから二次化石であるとも考えられないことから, その時代はひとまず最下部ないし下部鮮新世とし, 穴内層については下部ないし中部鮮新世としておく。このことは有孔虫や貝化石からみた結果ともよく調和する。ナノプランクトン群集は登層, 穴内層ともディスコースターを除いては大きな差異はなく, 両層の間に大きな時間的間隙は感じられないが堆積環境のちがいは明らかである。同様のことが松岡(未発表)による両層からのDinophyceae, AcritarchaやPediastrumの産出状況からも支持されている。
- 1971-09-20
著者
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西田 史朗
Department of Earth Science, Nara University of Education
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西田 史朗
Department Of Earth Science Nara University Of Education
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