576. 琉球沖繩本島羽地層産 Anadara の新種とその共産貝化石群について
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概要
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沖繩本島の本部半島羽地村一帯に分布する新第三系からは豊富な貝化石, オパキユリナ等が産出することが知られていた。層位学的調査の結果, MACNEIL (1960)がNakoshi Sandとして取扱った含貝化石砂岩層の下部に約15mの厚さをもつ礫岩を主とする地層の発達することが判明し, それらの検討の結果, Kogachi MemberとNakoshi Sandstone Memberを含むHaneji Formationを新しく提唱した。本論文では主としてKogachi Memberの地質及び地質学的意義に重点をおき, その上部に発達するシルト岩中に新たにKogachi Faunaを認めた。Kogachi FaunaはAnadara (Hataiarca) kogachiensis n. sp.を含む二枚貝13種と巻貝7種よりなり, 鮮新世初期の羽地海進初期の内湾泥底に生息した群集である。Haneji Formation下部から上部にかけての貝化石群によってしめされる環境の変遷がその岩相の垂直的変化とよく一致していることを示した。特にAnadaraについてはKogachi MemberからはAnadara (Hataiarca) kogachiensis NODA, n. sp., が, Nakoshi Sandstone MemberからはAnadara (Scapharca) suzukii (YOKOYAMA)及びAnadara (Scapharca) takaoensis (NOMURA)のAnadara suzukii Groupが産出し, 年代及び対比の有力な手がかりとなり西南日本の掛川-穴内-高鍋層に対比される。Hataiarcaに属しとくに中部中新世初期のAnadara (Hataiarca) kakehataensis HATAI and NISIYAMAに近似するAnadara (Hataiarca) kogachiensisとの差異及び現棲種Anadara (Hataiarca) subcrenata (LISCHKE)との差異を検討した結果, それらは互に類縁し, 同一系統上のものであることを結論した。
- 1971-04-20
著者
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