東部オホーツク海におけるゴカクエゾイバラガニ,PARALOMIS VERRILLI(BENEDICT),の出現と成熟サイズについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
太平洋の深海域に生息するLithodidaeの一種,Paralomis verrilliの東部オホーツク海における採集例を報告した。採集結果によると,本種の出現は水深約600m以深に限られ,その環境水温は1.1〜2.2℃であった。採集された標本については,体各部の相対成長に基づいてその形態的特徴を記述した。甲幅に対する甲長,第3胸脚長節長,右鋏の長さ,幅及び左鋏の長さの相対成長について検討した結果,甲幅がある大きさ以上では雌雄の間で付属肢の相対成長率に差が認められた。その時の甲幅は53mmから65mmの範囲にあることから,P.verrilliが性成熟に達する大きさは,甲幅約60mm前後であろうと推定した。甲幅74.7〜119.3mmの雌P.verrilliの腹肢付着卵数は,約2000個から7800個であった。腹肢付着卵の発生状況からみてこの水域における本種の産卵期は4月から6月に及ぶのではないかと考えられる。
- 日本甲殻類学会の論文
著者
関連論文
- 東シナ海におけるウチワエビ2種の分布
- モクズガニEriocheir japonica (de Haan)の生態と漁業実態に関するアンケート調査
- モクズガニの未成体期における鉗脚の相対成長
- モクズガニの河川における個体群構造 : 成熟サイズの連続的変異
- モクズガニ Eriocheir japonicus (DE HAAN)の海域における繁殖生態
- モクズガニ Eriocheir japonicus (DE HAAN)の卵発生と卵サイズの変異
- モズクガニ Eriocheir japonicus DE HAAN の海域における出現状況と行動
- モクズガニEriocheir japonicus DE HAANの生態学的研究ーIII 鉗脚にみられる相対成長と軟毛の分布
- モクズガニ雌の成長と成熟に伴う外骨格形態の変化
- 鹿児島県神之川におけるモクズガニの流程分布
- トラフグ養成親魚からの採卵技法の開発
- 各種ホルモン投与法により誘起された養成トラフグの成熟, 排卵過程
- 東部オホーツク海におけるゴカクエゾイバラガニ,PARALOMIS VERRILLI(BENEDICT),の出現と成熟サイズについて
- ホルモン投与により排精されたトラフグ精子の運動能
- トラフグの人工授精における排卵後経過時間と受精率との関係
- 筑後川産両側回遊型アユの成熟・排卵に伴う卵径・卵数の変化〔両側回遊型アユの成熟・産卵に関する研究-2-〕
- 組織学的観察に基づく筑後川産両側回遊型アユの成熟・産卵様式〔両側回遊型アユの成熟・産卵に関する研究-1-〕
- サワガニの相対成長と生殖腺の成熟
- サワガニの成長
- 北太平洋のタラバガニ-2-個体群の構造
- 北太平洋のタラバガニ-1-生殖と成長
- ズワイガニ2種の鋏の相対成長と性成熟
- ズワイガニの長期標識法について〔英文〕
- 琵琶湖産オオアユの成熟・産卵様式〔英文〕
- 琵琶湖産コアユの多回産卵現象〔琵琶湖産陸封型アユの成熟・産卵様式に関する研究-1-〕
- 琵琶湖産コアユの成熟・産卵様式〔琵琶産陸封型アユの成熟・産卵様式に関する研究-2-〕
- 黄海漁場におけるコウライエビの成熟について
- 研究室生まれのシャコの成長
- 飼育下におけるシャコの卵径,保育期間,および幼生期〔英文〕
- 捕脚の形態より求めたシャコの最適餌サイズ〔英文〕
- 博多湾の底生群集におけるシャコの食性〔英文〕
- シャコの産卵および卵塊保育行動〔英文〕
- シャコの自然巣穴および人工単穴に対する選択性〔英文〕
- 甑列島産キビナゴの個体群構造
- 鹿児島県神之川におけるモクズガニの流程分布
- 琵琶湖産コアユの成熟・産卵様式〔琵琶産陸封型アユの成熟・産卵様式に関する研究-2-〕
- 琵琶湖産オオアユの成熟・産卵様式〔英文〕
- ムツゴロウの年齢形質〔ムツゴロウの資源生物学的研究-1-〕
- 琵琶湖産コアユの多回産卵現象〔琵琶湖産陸封型アユの成熟・産卵様式に関する研究-1-〕
- 筑後川産両側回遊型アユの成熟・排卵に伴う卵径・卵数の変化〔両側回遊型アユの成熟・産卵に関する研究-2-〕
- 組織学的観察に基づく筑後川産両側回遊型アユの成熟・産卵様式〔両側回遊型アユの成熟・産卵に関する研究-1-〕