線毛目繊毛虫に寄生されたArchaeomysis属アミ類の出現状況
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概要
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日本および隣接海域より得られArchaeomysis属アミ類はしばしば体表面に線毛目繊毛虫の寄生を受けていた.北西太平洋の各地から採集した標本を基に,この繊毛虫の寄生の状況を調べた.調査した4種のArchaeomysis(Archaeomysis sp., A.kokuboi, A.vulgaris, A.japonica)はすべて繊毛虫の宿主であることが確認された.ただし,寄生率は種間で差が認められ上記4種の寄生率はそれぞれ74.2,75.6,22.3および1.2%であって,北方性の種で高い寄生率を示した.また,同一種内でも北方の個体群において寄生率が高くなる傾向にあった.このことから,線毛類の好寒梅性が示唆された.一方,潮間帯の種は亜潮間帯性の種に比べ明らかに寄生率が高かった.北海道ではArchaeomysisと線毛目繊毛虫の寄生関係は周年みられる現象であるが,この寄生によってアミ個体群が著しい減耗を引き起こすような深刻な影響を受けることは無いものと推察される.
- 1996-12-20
著者
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長崎 慶三
Nansei National Fisheries Research Institute
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花村 幸生
Nansei National Fisheries Research Institute Hiroshima
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花村 幸生
Nansei National Fisheries Research Institute
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