カワスナガニDeiratonotus japonicus(Sakai,1934)(スナガニ科,ムツバアリアケガニ亜科)のゾエア幼生
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概要
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日本固有種のカワスナガニのゾエア幼生を実験室で飼育し,得られたゾエアI・II齢期の形態を詳細に記載・図示し,これをスナガニ科の各亜科やムツバアリアケガニ亜科の既報種と比較した.オサガニ亜科とムツバアリアケガニ亜科のゾエア幼生は,小顎I・IIの各内股毛式により二つのグループに分類される.即ち,前亜科は小顎Iと小顎IIの内肢毛式が1,4+1と2+2に対して,後亜科では0,4+0と2+3である.したがって,ゾエア幼生の分類はManning & Holthuis(1981)の成体における分類体系に合致する.また,ムツバアリアケガニ亜科のカワスナガニの幼生は甲背棘と甲側棘および触角II外肢上の微小棘の有無や甲長に対する甲背棘長の比率の違いによって,同亜科の既報種との識別が可能である.さらに,スナガニ科の4亜科は,小顎Iと小顎IIの各内肢毛式と触角IIの形態の相違によって分類することができる.
- 日本甲殻類学会の論文
- 1995-12-15
著者
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