室内飼育によって得たイボテガニの幼生
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概要
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ケブカガニ科ケブカガニ亜科に属するイボテガニActumnus squamosusの抱卵個体を三河湾水深約40mの貝殻質砂底からトロール網によって捕獲し,実験室で飼育した.孵化したゾエア幼生にはアルテミアのノープリウスを給餌し,メガロパ幼生までを得た.本種は4期のゾエア幼生を経て,メガロパ幼生に達した.得られた各期の幼生の全形や付属肢の形態を詳細に記載・図示するとともに,既に報告された同亜科幼生との間の相違点を論議した.イボテガニのゾエア幼生とメガロパ幼生の形態は今までに調べられてきた同亜科のそれらに類似している。しかし,本種のゾエア幼生は甲側棘の欠如と腹節II・IIIに側棘が存在することにより,他の種類と区別することができる.メガロパ幼生については,触角IIの柄節Iの突起数,大顎鬚の剛毛数,尾肢外肢の羽状長毛数に若干の違いが認められ,これらにより,イボテガニのメガロパと既報種のそれとの識別が可能である.
- 1988-12-25
著者
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