電子メディア・コミュニケーション・モデルの検討 : リアリティの源泉である相互作用過程に注目して
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概要
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本稿は、メディアが実現する相互作用の形式に着目することで、従来からのシャノン型のコミュニケーションモデルにマルチメディアを積み重ねていくのとは異なったアプローチが可能であることを提示する。まず、リアリティには、マルチメディア的に語られる「対象のリアリティ」の他に「関係のリアリティ」という二つの種類があることを示し、それらが社会的なものであることを述べる。加えて、この社会的なリアリティの形成において、声(有声身振り)が果たしている機能をレビューした上で、電子文字は「声的な文字」であることを述べる。更にその特徴として、非同期インターラクティブと呼びうる相互作用が実現されていることに注目する。ここにこそ新たな時間・空間感覚を形成する契機があり、創発的コミュニケーションが可能になっている根拠とメディアとしての新規性が存在することを示す。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1998-10-08