中高年女性のライフスタイルの違いからみた運動の効果

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近年,ウォーキングは中高年にとって最も適切な運動であり,歩行速度を観察することによって日常生活の自立能力を推定することができると報告されている.特に歩行速度と転倒による骨折の発生率などが密接な関係にあるという.そこで本研究は,脚の筋力低下を抑えるためのライフスタイルについて調査を行った.特に歩行運動を生活の中に積極的に取り入れている層と運動していない層の比較を行い,中高年の生活の中に組み入れる運動プログラムの基礎資料を得ることを目的とした.本研究は,3つの層に属する被験者を対象として調査を行った.被験者は全て52歳から59歳までの主婦で, 11名の女性が「非運動群」として,6名の女性が「犬の散歩群」として,9名の女性が「ウォーキング群」として調査に参加した.これら被験者の7日間の歩数,日々の運動時間,脚筋力,骨密度を測定した.その結果「ウォーキング群」の1日の歩数が最も高く13772±1602歩/日を示し,「非運動群」は4950±998歩/日で最も低い値を示した(P<0.01).脚筋力および骨密度についてみると,「非運動群」は他の2群より有意に低い値を示した(P<0.01).「犬の散歩群」と「ウォーキング群」における1日当たりの歩数の間に約3400歩/日という差を示しているのにも関わらず,歩行運動の歩数を除いた日常生活の歩数についてみると両群の間には有意な差は認められず,骨密度や脚筋力にも差が示されなかった.すなわちウォーキングを運動として生活の中に無理に組み入れるのではなく,犬を散歩させるような歩行速度によって,十分トレーニング効果が望めることが明らかとなった.またこのレベルの運動強度によって,骨粗鬆症の予防をはじめアクティブな生活を送れるように身体機能が改善すると考えられる.
2001-03-31

中高年女性のライフスタイルの違いからみた運動の効果

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