高齢者肺癌切除例の検討
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概要
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1996年4月から2004年5月までに, 原発性肺癌に対して当科で手術が行われた138例中75歳以上の高齢者32例(23.2%)を対象とした.男性22例, 女性10例で, 80歳以上が8例(5.8%)であった.発見動機は自覚症状が11例(34.4%), 検診が7例(21.9%), 他疾患観察中が14例(43.8%)であった.組織型は腺癌が14例, 扁平上皮癌が12例, その他が6例であった.術前合併疾患を26例(81.2%)に認めた.手術術式は肺葉切除が22例(68.8%), 区域切除が2例(6.3%), 部分切除が8例(25%)で, 胸腔鏡補助下切除(VATS)が8例(25%)に行われた.術後合併症を12例(37.5%)に, 17合併症を認めた.合併症の内訳は呼吸器系が4例, 心房細動が4例, 精神障害が4例, 脳梗塞が3例, その他が2例であった.術死は認めなかったが, 脳梗塞を合併した1例(3.1%)が在院死した.予後は肺癌死が4例, 他病死が4例で, 32例の5年生存率は61.6%であった.高齢者肺癌症例は術前術後合併症率が高く, 手術適応には十分な検討を要するが, 切除例の予後に関しては満足すべきものであった.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 2005-11-15
著者
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岩橋 正壽
独立行政法人国立病院機構和歌山病院外科
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西村 治
国立病院機構和歌山病院 外科
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別所 俊哉
独立行政法人国立病院機構和歌山病院外科
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有本 潤司
独立行政法人国立病院機構和歌山病院外科
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西村 治
国立病院機構 和歌山病院 外科
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西村 治
独立行政法人国立病院機構 和歌山病院 外科
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