金融機関の機能変化の方向 : 米国主要銀行における収益構造の考察を通して
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概要
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米国の金融機関において大きな比重を占めつつある非金利収入について、主としてシティバンク、JPモルガン・チェース銀行の2行を中心に考察した。1995年から2002年の7年間で、大手6銀行の金利収入は3.3倍であるのに対し、非金利収入は5、9倍と伸び率に開きがある。シティバンクでは、戦略的商品をテコとして家計部門を席捲し、またクロス・マーケティングと呼ばれる複合的なビジネス形態がその成長を支えている。またJPモルガン・チェース銀行は、投資銀行業務を中心に大手企業、投資家との複合的取引を成長の原動力とする一方、すでに業務の取捨選択が実行され強固な体質を持つチェースのリーテール分野が、収益面で安定性をもたらしている。同行とも、90年代初頭にその経営戦略の構図が築かれており、規制緩和、M&Aの流れの中で、現在に至るまでその基本戦略が踏襲、強化されてきたことが確認できる。
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