『磨光韻鏡』と『磨光韻鏡字庫』
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概要
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文雄の『磨光韻鏡』では主に『大宋重修広韻』(以下『広韻』)から引用された反切が載せられるが、その文雄によって後に編纂された『磨光韻鏡字庫』(以下『字庫』)では、主に『古今韻会挙要』(以下『韻会挙要』)から引用された反切が載せられている。なぜ文雄は『字庫』において当時重用された『広韻』ではなく、前時代までに重用された『韻会挙要』を重視したのか。それは『磨光韻鏡』『字庫』両書の編纂目的の違いに起因する。すなわち『磨光韻鏡』は『韻鏡』原図の解釈のために反切を付すため、同じ二〇六韻の『広韻』が用いられたのに対して、『字庫』は検索の容易な「転図字書」として編纂されたので、七音清濁が明示され注文も豊富な『韻会挙要』を組み直したものとなった。それで『字庫』では主に『韻会挙要』の反切が載せられているのである。また文雄は『字庫』編纂に当たって、先行する盛典の『韻鏡字子列位』をも参考にしていたと考えられる。
- 日本語学会の論文
- 2004-01-01
著者
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