医療用電源の検証(手術室コンセントの改修例)
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概要
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現在の病院の電気設備はJIS「病院電気設備の安全基準」に基づいて施工されている.しかし,この規格が制定されたのは,昭和57年11月であり,平成8年に改正されている.このためこれら以前に建てられた病院では現存のJISの設備とは異なっている場合がある.竣工から10年以上経った病院の手術室の電源事情について聞き取りと現地調査により問題点を調べた.調査では,「使用中に電気が止まったことがある」と「時々警報が鳴る」の答えが約半数からあった.この内,了解の得られた病院で現場調査を行った所,(1)コンセントの口数が足りない.(2)電気の取り方が偏っている.(3)機器の消費電力を知らない.(4)アイソレーション電源の警報が鳴っても対処方法が解らない,(5)警報が出た原因が判らない.(6)電源容量に不安を持っている.等が判った.これらの病院で現在のJISで施工される場合との違いを調べたところ,保護接地は正しく行われていたが,等電位接地はほとんど行われていないか不十分,非接地配線方式(アイソレーション電線)は持っていたが,電源容量が1室5kVAとなっていた.これらの内,心臓外科の手術室では増設工事を行って+5kVAとしている所があった.非常電源はほぼ使われていたが,瞬時特別非常電源(無停電)の使用は限られていた.また調査した手術室の多くで,電源配線に変更が加えられていたが,これは十数年間の間に医用電気機器が増えて来たためと推察された.これらの問題点を整理して,土曜日1日で改修できる計画を立てて実施した.主な改善は,(1)電源回路を目的別に分配,(2)コンセント回路数の増設,(3)コンセントモジュールの追加,(4)過電流警報器の設置,である.
- 2003-04-01
著者
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