繰返打撃に依る炭素鋼の疲勞度及び其の恢復
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概要
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本多博士の考へに従ひ、衝撃値の変化の割合を以て"疲労度"を定める方法を繰返打撃を受けた各種炭素鋼に應用して其等試料の特性を研究し、(1)疲労度の進行状況は3段の打撃範圍に区別することが出來、打撃の初期即ち第一打撃範圍では疲労度の増加は比較的緩漫で次の第二範圍では急激な増加を生じ最後の第三範圍では再び緩漫に変化すること、(2)各打撃範圍の大さは打撃内力及び試片の形状に依て変ること、及び(3)疲労度は炭素量大なるほど打撃の初期に於て大で其後に於て小であることを見出した。焼鈍に依て疲労恢復が行はれ且つ或る打撃範圍に於て特に著しいことを確めた。又疲労破壊と疲労度との関係を明かにした。
- 一般社団法人日本機械学会の論文
- 1934-07-01