繰返彎曲に因る鋼の疲労度
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概要
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衝撃値の変化の割合を以て疲労度を表す本多博士の方法を用ひ4種の炭素鋼における繰返彎曲に因る疲労に就き研究し、各應力の下における疲労度の進行過程及び應力と結局の疲労度との関係を明かにした。又試片の破断の全回轉数で耐久限を定めるよりも疲労裂目の発生する回轉数を以て耐久限を定める方が合理的であること、更に一定の繰返回数後に疲労度零なる應力を求めて耐久限と定むればその意義が一層明確で且合理的となることを指摘した。有溝試片に於ては、繰返打撃の場合と全く同様に、疲労度は3段に進行する。即ち繰返回数の初め徐々に次に急激にそして終りに再び徐々に進行すること及び疲労度が急激に進行するのは疲労裂目が形成されるためであることを確め本衝撃法が機械又は構造物の部分の実際の安全應力を求むるには極めて有利なことを説明した。最後に繰返應力のため衝撃値は増減する。これに関係する因子として結晶粒の微細化及び微細間隙を擧げて夫々の影響に就て考察した。
- 一般社団法人日本機械学会の論文