気管支喘息発作に対するテオフィリン吸入の試み
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概要
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検査時に軽度の喘鳴を聴診しうる軽症の気管支喘息患者(喘鳴群)21例と, 喘鳴を聴取しえない同患者(非喘鳴群)8例および呼吸器疾患を有しない対照群14例に, 静注用ネオフィリン液1.2mlを6分間吸入させ, その前後にフローボリュームレコーダーにより呼吸機能指標VC, FEV_1, PFR, V_<50>およびV_<25>を測定した. 喘鳴群においては, 生理食塩水吸入時に比し, また非喘鳴群および対照群に比してVC, FEV_1, PFR およびV_<50>において有意の改善率を示し, 吸入ネオフィリンの気道拡張効果が認められた. そしてVCおよびFEV_1の改善率は吸入前値の%VCおよび%FEV_1がそれぞれ低値であるほど著しかった. さらに上記とは別の喘鳴群19例に, ピークフローメーターを用いてネオフィリン吸入効果の持続時間を測定したところ, 気道拡張効果は4時間後でもみられた. 吸入ネオフィリンの作用経路は気道上皮を介する直達的なものと予想され, 血中濃度を上げることなく有効である点, 合理的な投与法であると思われる.
- 1995-12-30
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