炎症性サイトカイン刺激による培養気道上皮細胞の Intercellular Adhesion Molecule 1発現に対するデキサメサゾンの影響

概要

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気管支喘息はリンパ球, 好酸球などの細胞浸潤による慢性気道炎症として特徴づけられる. 好酸球を主体とした炎症細胞の組織浸潤には, 細胞間の接着および細胞と基質の結合が重要であり, この機能の調節には ICAM-1などの接着分子が密接に関わっている. 一方, beclomethasone dipropionateなどのステロイド薬の吸入は喘息の気道炎症反応を制御する治療薬として広く用いられている. そこで本実験ではヒト気道上皮細胞 NCI-H_<292>に種々のサイトカイン刺激を与え, ICAM-1発現に対する影響を検討した. 更にIL1-β, TNF-α, IFN-γ刺激により発現される ICAM-1に対するデキサメサゾンの抑制効果について検討を行った. その結果, NCI-H_<292>細胞は IL-1β, TNF-α, IFN-γ刺激後24から48時間で濃度依存的にICAM-1の発現を増強した.また, IL-1βおよびIFN-γにより増強したICAM-1の発現をデキサメサゾンは用量依存的に抑制した. しかし, TNF-αにより増強されたICAM-1の発現には抑制効果を示さなかった.
日本アレルギー学会の論文
1995-02-28