新規抗アレルギー薬ベシル酸ベトタスチン (TAU-284) の実験的アレルギー性鼻炎に対する作用

概要

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研究目的 : 新規抗アレルギー薬ベシル酸ベトタスチンの鼻炎治療における有効性を検討する。方法 : 1) 鼻粘膜血管透過性亢進: 能動感作ラットに抗原を鼻腔内灌流し, 鼻粘膜からの漏出色素量を測定した。2) 鼻腔内圧: 正常モルモットにヒスタミンを点鼻投与し鼻腔内圧の変化を測定した。3) 鼻呼吸抵抗: 能動感作モルモットに抗原を点鼻チャレンジしオシレーション法にて測定した。成績: ベシル酸ベトタスチンは, 経口投与により能動感作ラットの鼻腔内抗原灌流による色素漏出を1mg/kg以上で有意に抑制した。ヒスタミン誘発鼻腔内圧の上昇を濃度依存的に抑制した (ID50=0.03mg/kg)。また, 能動感作モルモットでみられる抗原点鼻0.5および4時間後の二相性ピークを1mg/kg以上で有意に抑制し, その作用は他剤に比し特に遅発相で強かった。以上のように, ベシル酸ベトタスチンは数種類の鼻炎モデルにおいて有意な抑制作用を示したことから, ヒトのアレルギー性鼻炎に対する有効性が示唆された。
日本アレルギー学会の論文
1997-07-30