γ-Globulinによる血管内性抗原抗体反応に関する研究 : 第3編 活動性アナフィラキシー時の脾変化について
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概要
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所謂Collagen diseaseの脾炎及び感染脾の変化を究明せんとして, ウシ血清γ-Globulinによる活動性アナフイラシーをウサギ脾に惹起せしめてこの際の脾炎像を検索した.浜本の血管内性抗原抗体反応の理論に基づいて, ウシ血清γ-Glに対する抗体の十分に上昇したウサギに, 直接脾動脈よりウシ血清γ-Glを注射して, 惹起注射後1日後より60日後迄の牌の変化を病理組織学的に検索した.主なる脾の変化は次のようであった.初期には激烈な脾炎像を赤脾臓に認め, 偽酸球の浸潤が高度で, 遊離性大貧食細胞-所謂脾細胞-の出現が顕著で, 次いで遷延化を示して形質細胞, 単核細胞の寧ろ結節状の浸潤増生が認められ, これらの強い脾炎像は60日後においても尚持続して認められた.又脾柱, 被膜も後には肥厚を示し, 髄索細網細胞の増生を認めた.芽中心は初期には腫大せしも, 後には大小不同を示し, 萎縮せるものもよく認められた.中心動脈は, 内皮細胞腫大, 内皮の停立, 内皮下浮腫, 壁のフィブリノイド変性が認められ, 又牌柱動脈にて増殖性動脈内膜炎の像が認められた.これらの所見より, 感染脾更にcollagen diseaseにおける脾炎は, 異種γ-Glによる活動性アナフィラキシーにより惹起される脾炎像と酷似して, アレルギー性脾炎と軌を一にするものと考えられる.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1964-07-30
著者
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