寒冷による自己抗体素因形成に関する実験的研究 : 第3篇 Erythron-Allergyを指標とした冷却自己血液の抗原性の検討
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概要
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E.A.の完全抗原は, 赤血球セファリンと異種蛋白とにより形成される.そこで冷却自己血液に赤血球セファリンを合併すれば, E.Aの完全抗原となり得るか否かを検討した.即ち赤血球セファリン1.5mgを含む0.5mlの生理食塩水エマルジョンと, 自己血液5mlを混じ, 24時間冷却処理したものを冷却のまま連日4回耳静脈より感作し, 3週後再び同じ抗原液を連日3回静注し, 再注射前後の末梢血液像, 骨髄像を検索した結果, E.Aの病像は認め得なかったことから, 冷却自己血液はE.Aの運搬体とはなり得ないことが証明された.以上3篇にわたる実験成績より所謂寒冷アレルギーの発症が寒冷刺戟に特異的に反応する抗原抗体反応であると断定するには更に追究する実験が必要であるが, 冷却処理した自己血液及びこれにチフスワクチンを添加して感作しても寒冷に特異的に反応する自己抗体素因は形成されず, 又赤血球セファリンと合併して感作してもE.A.の抗体素因は形成されない.従って冷却処理した自己血液は自己抗体素因を形成する抗原性を有しないと結論する.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1964-07-30
著者
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