寒冷による自己抗体素因形成に関する実験的研究 : 第2篇 チフスワクチン添加冷却自己血液の抗原性に関する実験的研究
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概要
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チフスワクチンはウサギにとって異種蛋白であり, 死菌であるから網内系に作用し, 抗体産生能力をたかめ更に堂野前の云う病巣抗原的役割をして, 同時に混入した冷却自己血液に対する自己抗体の産生を促進するのではないかと考え, 自己血液とチフスワクチンを混合し, 24時間0°〜5℃に処理したものをウサギ大腿部に隔日5回筋注し感作とし, その後1, 2, 3週に各種の抗体検索と末梢血液像, 血清蛋白像, 血液生化学検査を第1篇と同様の方法で行い, 更に抗原感作タンニン酸処理赤血球凝集反応を併せ行った.その結果は抗原感作タンニン酸処理赤血球凝集反応, 補体結合反応, クームス試験間接法にて一部に最弱陽性を認めたが其の他は何れも陰性であった.一方ワクチンを抗原とした沈降反応, アルチウス反応は陽性を示し, 血清のγ-Globulinも軽度の増加を来したが, チフスワクチンの感作によるものと考える.又, 寒冷曝露試験によっても生体内溶血微候も, 皮膚発斑も認められないから, 冷却した自己血液にチフスワクチンを添加して感作しても寒冷に特異的な自己抗体素因の形成は得られないものと考える.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1964-07-30
著者
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