特異抗原で誘導されるInterleukin-2反応性に対するDisodium Cromoglycate (DSCG)の処理効果についての検討
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概要
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アトピー性疾患患児末梢血リンパ球において抗原特異的に誘導されるIL-2反応性に対するdisodium cromoglycate(DSCG)の処理効果を検討した.DSCGにはリンパ球に対するmitogenとしての作用は認められなかったが, Dermatophagoides farinae(Df)により誘導される気管支喘息患児末梢血リンパ球のIL-2反応はDSCGで, 24あるいは48時間前処理することにより抑制された.このDf特異的IL-2反応性の誘導はDSCGで抗原提示(付着)細胞を前処理することにより抑制されたが, 抗原でpulseした付着細胞をDSCGで前処理した非付着細胞と組合せても誘導されたことから, DSCGは抗原提示細胞として働く付着細胞に作用しIL-2反応性の誘導を抑制していると考えられた.また, このIL-2反応性誘導の抑制は抗原とDSCGを同時に添加した場合には認められなかった.ovalbumin(OVA)により誘導される卵アレルギー患者の末梢血リンパ球も同様に抑制された, PPDにより誘導される健康者末梢血リンパ球のIL-2反応性を検討したところ, 同様にDSCGで前処理することにより抑制された.一方, Con Aで誘導されるIL-2反応性は抑制されなかった.よって, DSCGには抗原特異的IL-2反応性の誘導を抑制する軽度の免疫抑制作用が存在すると考えられた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1989-10-30
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