SLE患者末梢血リンパ球DNAの特徴と左巻きDNA (Z-DNA)との関連性について(第1報)
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概要
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SLE患者血清中の抗Z-DNA抗体の存在あるいはSLE患者リンパ球はGCrichな小分子DNAを産生するなどの報告がなされ, SLE患者リンパ球DNAにおけるZ-DNAとの関連性が注目されている.purine (guanine, adenine)とpyrimidine (cytosine, thymine)が交互に反復する塩基配列, 特に(G-C)nの塩基配列はZ-DNAをとる可能性が大きいとされていることより, SLE患者リンパ球DNAのguanine-cytosine content測定, circular dichroism (CD)測定, ショ糖密度勾配法, 鋳型活性測定を行いZ-DNAとの関連性を検討した.さらに紫外線照射に対するDNAの感受性, 修復能についても観察した, その結果, SLE患者リンパ球DNAではCDは変化を認めなかったがGCrichな症例が存在し, ショ糖密度勾配法でもSLE症例ではそのピークは高密度域に位置した.鋳型活性, 紫外線に対するDNAの感受性および修復能は低下していた.これらの結果はSLE患者リンパ球がZ-DNAとなんらかの関連性があり臨床所見とこれらの実験結果とは相関を認めなかったもののSLEの病因と深く係わり合いがあることを示唆した.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1986-07-30
著者
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