小児期の末梢血単核球亜型に関する研究 : 第2編 川崎病の単核球亜型について
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概要
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川崎病患児14例および年齢相応の健常小児16例の末梢血単核球亜型をモノクローナル抗体(Leuシリーズ)を用い, fluorescence activated cell sorter(FACS)にて測定した.対象とした川崎病患児は第5から第12病日までの急性期および発病後1ヵ月から6ヵ月までの回復期である.結果:1)Leu4陽性細胞(pan T cell), Leu2陽性細胞(suppresor/cytotoxic T cell), Leu3陽性細胞(helper/inducer T cell)およびLeu3陽性細胞とLeu2陽性細胞の比であるTh/Ts比は急性期と回復期で有意な変動は認められなかった.さらに川崎病の急性期に病日別にみたLeu4, Leu2, Leu3陽性細胞およびTh/Ts比は一定の傾向が認められなかった.しかしながら, 川崎病の急性期においてLeu4およびLeu3陽性細胞の標準偏差は回復期に比べやや巾広かった.Leu7陽性細胞(NK/K cell)も急性期と回復期で有意差は認められなかった.2)Leu10陽性細胞(B cell/macrophage)は急性期および健常小児に比べて回復期で有意の上昇を示した(p<0.005).3)Leu M3陽性細胞(macrophage/monocyte)は, CRP陰性化まで長期間(32日間)を要した5症例で急性期に高値であった.また, 再燃した1例では再燃時にLeu M3陽性細胞の上昇がみられた.4)HLA-DR陽性細胞は, 2症例で急性期に高値であった.5)冠動脈瘤を合併した1例では, 急性期にLeu4, Leu2およびLeu3陽性細胞が低値で, Leu M3およびHLA-DR陽性細胞が高値であった.以上の結果より, 川崎病患児の末梢血単核球亜型の測定は, 本症の病態および臨床経過を考える上で重要であろう.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1984-07-30
著者
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