小児の血清IgE値に関する研究 : 第1編 新生児, 乳児, 幼児および学童における血清IgEの正常値について
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概要
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低濃度の血清IgE値について, PRISTとRIST変法(2-stage method)およびenzyme-immunoassay (Phadezym IgE PRIST)による測定法の比較検討を行った.そして現段階で最も良い方法と考えた.PRISTを用いて, 新生児, 乳児, 幼児および学童について, 月令別および年令別の血清IgEの正常値を測定し, 次の結果を得た.1. 血清IgE値をPRISTとRIST変法とで比較すると, RIST変法による値はPRISTによる値より高値を示し, 10unit/ml以下の低濃度域では両法によるIgE値は相関しなかった.またPRISTとenzyme-immunoassayを比較すると, PRISTで得られた10unit/ml以下の低濃度域においても, 両法による値はよく相関した.2.32例の臍帯血のIgE値は, 動脈血では26例で静脈血では23例で0.5unit/ml以下であった.測定し得た例では0.5-4.0unit/mlの範囲に分布した.3. 日令1日および7日における新生児の血清IgE値は, それぞれ11例中9例, 17例中15例で0.5unit/ml以下であった.測定し得た例では1.0-1.5unit/mlの範囲に分布した.4. 乳児における血清IgEの平均値は, 1ヵ月で1.34, 6ヵ月で6.44, 12ヵ月で11.46unit/mlであった.5. 幼児および学童における血清IgEの平均値は1-3才で15.0, 4-6才で23.87, 7-9才で25.54, 10-15才で39.66unit/mlであった.血清IgE値は新生児期ではきわめて低値であるが, 生後1ヵ月では上昇し始め, 1才で成人値の約1/3に達し, 幼児期ではさらに上昇し, 学童期の7-9才でほぼ成人値に達した.これらの値は, 本邦で今までに報告されたRISTおよびRIST 2-stage methodなどで得られた健康小児の血清IgE値に比して低値であった.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1981-10-30
著者
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