好中球との混合培養による全身性紅斑性狼瘡およびリウマチ患者のリンパ球障害について : 主としてリンパ球膜表面およびその機能障害を中心に
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概要
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SLE・RA患者の好中球を分離集穫し, autoあるいはallo正常人リンパ球と37℃17時間混合培養を行うと, autoあるいは正常人リンパ球のE(SRBC)に対するrosette形成は著明に低下し, EA(IgG coated ox erythrocyte)rosette形成も低下し, EAC, immunobeadsに対するrosette形成も若干低下を示す.またConAに対する反応性も高度に低下し, PHAに対する反応性も低下する.さらにtargetのリンパ球に^<51>Crをラベルしこれら好中球のcytotoxicityを測定したところ, 高い^<51>Cr-releaseが得られた.一方, 顕著な細菌感染患者や癌患者の好中球を取り出し同様の実験を行つたが, 著変はみられなかつた.Johnstonは, 炎症が細菌感染による場合好中球より高度なライソゾーム酵素の分泌がみられ, 一方, 炎症がimmune complex originの場合はライソゾーム酵素に加え大量のoxygen intermediatesの産生が証明されると報告している.以上の結果より, SLE・RA患者にみられるT cellやT-γ cellの減少はimmune complexを貧食しようとする好中球により産生され亢進したoxygen intermediatesにより惹起された可能性がある.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1980-12-30
著者
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石本 浩市
丹羽免疫研究所
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丹羽 靭負
丹羽免疫研究所
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横山 三男
イリノイ大学病理学細菌学教室
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石本 [コウ]市
丹羽免疫研究所
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石本 市
丹羽免疫研究所
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横山 三男
イリノイ大学医学部病理学,細菌学
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