長期抗原刺激と抗核抗体産生に関する研究
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概要
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C57BL/6J雌マウスを, bovine serum albumin(BSA)とFreund incomplete abjuvantからなる懸濁液で週1回, 30-36週間感作し, その血清について, (1)indirect immunoflurescent technique(IFT)による抗核抗体の検索, (2)ammonium sulfate methodによる^3H-labelled DNA binding activityと^3H-labelled soluble DNA-histone complex(sDNH)binding activityの測定, および(3)radial diffusion techniqueによる抗BSA抗体価の測定を行つた.その結果, (1)感作群25匹中13匹の血清にhomogeneous patternを示す抗核抗体を証明した.(2)抗核抗体を陽性感作群血清の^3H-labelled DNA binding activityは抗核抗体陰性感作群血清のそれに比して有意差はなく, (3)抗核抗体陽性感作群血清の^3H-labelled sDNH binding activityは抗核抗体陰性感作群血清のそれに比して高値を示した.(4)抗核抗体陽性血清をsDNHで吸着した後にIFTを行うと染色は陰性化した.抗核抗体陽性血清をDNAで吸着した後にIFTを行うと染色は陽性のままであつた.(5)経時的観察では感作開始後18-24週の間に^3H-labelled sDNH binding activityが急上昇した.(6)感作群血清すべての抗BSA抗体価は低値にとどまつた.以上の結果は, 長期感作の後に被感作動物血清中に出現したhomogeneous patternを示した抗核抗体が抗sDNH抗体であることを示している.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1979-06-30
著者
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