ヒト初乳中の免疫グロブリン値および補体成分について
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概要
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分娩後1週間以内の初乳107検体を採取し, 81430G1時間の超遠心後, 脂肪層を除去し乳清部分を使用した.うち16例は, 同時に母親の血清を採取しpaired samplesとした.IgG, IgA, IgM, C3, C4およびC3-activator値は, single radial immunodiffusion法で定量し, IgD, C5およびC9は, immunoelectroporesisで検討した.また, IgE値はRISTおよびPRISTで定量した.(結果) 1) 乳初中のIgAおよびIgA/IgG比は, 血清中のそれよりも明らかに高値であったが, IgGおよびIgMは血清中のそれより低値であった.初乳中のこれらの免疫グロブリン値は, 分娩後の日数とともに低下した.2) C3, C4およびC3-activatorは, 初乳中に存在したが, 血清中のそれよりも低値だった.C3およびC4が比較的高値のものでは, 両者の間に正の相関を認めた.3) IgD, C5およびC9はimmunoelectrophoresisで検出されなかった.4) 初乳中のIgE値はRISTで測定すると高値であるが, PRISTでは非常に低値だった.これは, RISTに非特異的にinterfereする物質が初乳中に存在するためと考えられる.PRISTで得られた初乳中のIgEは, 血清中のそれに比して調査を著しく低値であり, 血清からのpassive diffusionと考えられる.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1979-03-30
著者
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