ヒト血清中の免疫抑制作用物質に関する研究 : 第2編 肺癌, サルコイドーシスおよび肺結核患者血清中の免疫抑制作用物質の性状と作用機序に関する比較検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
肺癌, サルコイドーシスおよび肺結核患者血清中のヒツジ赤血球に対する Plaque-forming cell 産生抑制因子(PFC-SF)の性状と作用機序について比較検討を行った。1)いずれの疾患血中の PFC-SF(s) も熱安定性(56℃30分)で, 非透析性であった。2)硫安分画による PFC-SF(s) の免疫抑制活性の所在は, サルコイド-シスと肺結核血清は上清のみ, 肺癌血清は上清と沈渣, 特に γ-globulin rich fraction にあった。3)各疾患血清中の PFC-SF(s) の抑制効果は, 胸腺・脾細胞に対する cytotoxic 作用によらない。これらの各疾患血清は carbon clearance に有意の変動を与えず, lipopolysaccharide 刺激後のヒツジ赤血球に対する非特異的抗体産生を抑制しなかった。さらに, この抑制は血清が抗原投与前および同時に投与された場合にみられ, 抗原投与後ではみられなかった。4)この抑制は抗原量の多い場合に明らかであった。5)in vivo 免疫抑制効果の持続は肺癌血清で long, サルコイドーシスおよび肺結核血清は short であった。
- 日本アレルギー学会の論文
- 1978-10-30
著者
関連論文
- ヒト血清中の免疫抑制作用物質に関する研究 : 第2編 肺癌, サルコイドーシスおよび肺結核患者血清中の免疫抑制作用物質の性状と作用機序に関する比較検討
- ヒト血清中の免疫抑制作用物質に関する研究 : 第1編 健常人および各種呼吸器疾患患者血清のマウスにおけるヒツジ赤血球に対する抗体産生におよぼす影響
- 30. ヒト血清中の免疫抑制作用物質に関する研究(第7報) : サルコイドージス患者血清中の PFC-SF の臨床的意義 : 特に予後との関連性について(chemical mediators)
- 肺癌患者血清の免疫抑制作用を用いた肺癌の免疫学的診断法(lmmunosuppressiontest)の診断学的意義について
- Immunosuppression Testによる肺癌の血清学的診断(第1報)
- 5.肺癌患者血清, とくにγグロブリン分画の免疫抑制作用について(7 癌と免疫)
- 肺癌患者の免疫機能に関する研究 : (第5報)肺癌患者血清の免疫抑制作用について:肺癌と免疫I