ネフローゼ症候群患児血清にみられる免疫抑制作用について : 第1編非特異的mitogenを用いた試験管内リンパ球培養法による検討

概要

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われわれは, ネ群リンパ球および血清に関して, mitogen刺激リンパ球培養を用いた検討から以下の結果を得た.1)ネ群患児リンパ球のPHA刺激に対する反応性は有意に低下していた.2)ネ群急性期治療前血清は, 正常リンパ球および患児自身のリンパ球のPHA刺激に対する反応性を有意に抑制した.3)急性期治療前血清に認められた抑制作用は, 寛解ステロイド離脱後血清では消失していた.4)ネ群急性期治療前血清の抑制作用は, Con A, PWM刺激リンパ球培養についても認められた.5)PHA刺激に対するネ群血清抑制作用は, ヒト血清アルブミンあるいは正常プール血清を補つた場合でも認められることから, 栄養物の欠乏ではなくて血清中に抑制物質が存在するためらしい.6)抑制作用は, minimal change, proliferative, membranous and sclerosing glomerulonephritisのすべてのtypeの患児血清に認められた.7)PHA刺激に対するネ群血清抑制作用は, 血清α_2-macroglobulin値と有意の相関を示した.
日本アレルギー学会の論文
1978-05-30