気管支喘息に対するAurothioglucose(ロモゾール)の使用経験
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概要
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油性金製剤であるaurothioglucose (Romosol)をアメリカ方式で, 主として減感作療法の奏効しない症例に使用して次の成績がえられた.1)43例中著効16例, 有効15例, 無効5例, 不明7例で, 有効率86.1%であった.2)aurothioglucoseの治療効果は, ステロイド剤未使用群, 家族歴のある群, 若年群, アトピー型の群, 軽症群では, ステロイド剤長期使用群, 家族歴のない群, 高年群, 混合型ないし感染型の群, 重症群に比して有効率が高かった.3)有効例の大多数はaurothioglucoseの使用期間が3カ月以内に効果が発現している.無効例では5カ月以上治療を続けても効果がみられなかった.4)有効例ではaurothioglucoseの累積使用量が400mg以下で, 大多数の症例に効果の発現をみた.総使用量500mg以上やっても効果のあった症例は僅少であった.5)血中濃度と治療効果の間には一定の関係は認められなかった.6)aurothioglucoseによる治療を中止した後の2-3の症例に2-6カ月でreboundしたが, 再治療で軽快した.7)副作用としては, 〓痒を伴う発疹が最も多く, 次いで, 蛋白尿, 皮膚〓痒感, 口内炎で若い女性に多く現れる傾向がうかがわれ, 副作用発現時期と効果発現時期がほぼ一致する傾向がみられた.また, その発現時期は, 85-300mg, 特に85-150mg間に多かった.副作用の現れない人はいくら大量に使用しても平気であった.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1975-01-30
著者
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