In Vitro におけるリンパ球の細胞傷害作用の研究 : 第2編 橋本甲状腺炎患者末梢血リンパ球の細胞傷害作用について

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概要

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• 橋本甲状腺炎患者を対象として, 患者末梢血リンパ球の細胞傷害作用を, ヒト甲状腺上皮細胞とヒト線維芽球を標的細胞として in vitro で検討した.同時にこれから患者血清中の補体結合性の組織傷害性抗体 (humoral cytotoxic factor), サイログロブリン抗体およびマイクロソーム抗体の検討も行い, 次のような結果を得た.1) リンパ球の甲状腺上皮細胞に対する細胞傷害作用は, 13例中6例に検出された.対照として試みたバセドウ氏病では9例中3例に検出され, 正常健康人では6例中全例陰性であった.2) PHA の刺激によるリンパ球の細胞傷害作用については, 橋本甲状腺炎11例, 正常健康人6例を検討した結果, 全例が陽性を示し, 両者の間に差がなかった.3) 線維芽球に対するリンパ球の細胞傷害作用は, 橋本甲状腺炎9例のうち8例は陰性, 他の1例は軽度の陽性を呈した.正常健康人リンパ球では8例中全例陰性であった.4) humoral cytotoxic factor は橋本甲状腺炎9例中5例に検出され, その出現はサイログロブリン抗体やマイクロソーム抗体の抗体価と比較的よく相関した.リンパ球の細胞傷害作用とhumoral cytotoxic factor との間には相関は認められなかった.

• 日本アレルギー学会の論文
• 1974-09-30

著者

• 栗原 二郎

  京大第2内科

• 栗原 二郎

  京都大学医学部第2内科

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