リゾチームの血清学的研究 : III.唾液の免疫電気泳動法的研究
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概要
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1) ヒト健康人から採取した混合唾液をDiaflo膜で濃縮し, ウサギに免疫して抗血清を作成し, 寒天内沈降反応をおこなって生ずる沈降線の解析をおこなった.2) 免疫電気泳動法でCSが抗CSに対して生ずる7本の沈降線のうち, 血清との共通成分をもつものはIgAであり, 炎症性疾患においては, IgGも証明された.CSと抗NHSではアルブミンとIgAが証明できた.一方唾液特有の成分のうち, アミラーゼに対する沈降線を酵素化学的方法によって同定した.3) 卵白リゾチームと対応する抗体系では, その溶菌活性を指標として免疫電気泳動法の沈降線の同定に成功した.しかし同じ方法によって抗CSと唾液リゾチームとの沈降線の同定を試みたが不成功であった.4) アフタ患者とベーチェット病患者の唾液を免疫電気泳動法によって検討したところ, ベーチェット病の唾液ではアミラーゼの減少がみられたが, アフタでは変化がみられなかった.5) 口腔領域の嚢胞形成疾患の内容液が唾液腺由来か血清由来のものかの鑑別診断に, この抗CS血清を用いた免疫電気泳動法は有用である.
- 1973-12-30
著者
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